鍋島 直泰(なべしま なおやす、1907年〈明治40年〉10月3日 - 1981年〈昭和56年〉4月1日)は、日本の宮内官僚、政治家、華族(侯爵)。旧佐賀藩鍋島家第13代当主。貴族院議員。

経歴

12代当主・直映の嫡男で、母は黒田長知の次女・禎子。学習院を経て、1931年(昭和6年)東京帝国大学文学部を卒業。1933年(昭和8年)宮内省に入省し、式部官兼主猟官に就任。

父の死去に伴い、1943年(昭和18年)12月28日に家督を相続し侯爵を襲爵。同日、貴族院侯爵議員に就任し、火曜会に所属し1947年(昭和22年)5月2日の貴族院の廃止まで在任した。

式部官を務めていたこともあり、1949年(昭和24年)、昭和天皇の戦後巡幸が佐賀市内で行われた際には、御泊所となった楊柳亭で拝謁する機会を得ている。この際、鍋島家伝来の鍋島焼3点を披露している。

人物

名ゴルファーとして知られ、1933年から1935年の日本アマチュア選手権に3連覇、1ラウンドで2度ホールインワンを記録するなどの記録で知られる。長野県軽井沢町「軽井沢ゴルフ倶楽部」所属。また、蝶の研究・収集などでも有名である。

自動車愛好家としても知られ、1935年にはイスパノ・スイザK6をベアシャシー(ボディがない状態)で輸入、自邸内の小屋で自らデザインした2ドアクーペボディを、約半年かけて日本人職人に製作・架装させた。完成当初のボディカラーはナス紺と溜色(小豆色)のコンビネーションだったと言われるが、その後も昭和40年頃まで、塗色の変更、ホイールカバーの取り外し(ワイアホイールをそのまま見せる)、バンパーを2分割にするなどの改良を積み重ね、死去するまでナンバーを付けて時折実用に供し続けた。このイスパノ・スイザは1983年、直要が佐賀県立博物館に管理を委託、約25年間にわたり、同博物館1階ホールに展示されていたが、2007年にトヨタ博物館に寄贈され、以降、同館にて展示されている。

栄典

外国勲章佩用允許
  • 1934年(昭和9年)12月28日 - ベルギー王国:クーロンヌ勲章シュヴァリエー

親族

  • 祖父:鍋島直大(肥前佐賀藩第11代藩主)
  • 祖父:黒田長知(筑前福岡藩第12代藩主)
  • 父:鍋島直映(鍋島家第12代当主)
  • 母:鍋島禎子(黒田長知の次女)
  • 妻:鍋島紀久子(朝香宮鳩彦王第一王女)
    • 長女:倚子(北風隆行夫人)
    • 次女:弘子(豊嶋庸輔夫人)
    • 長男:鍋島直要(鍋島家第14代当主、鍋島報效会会長、日本ゴルフ協会常任理事)
    • 次男:鍋島美茂
    • 三女:陽子(田代方彦夫人)

脚注

参考文献

  • 人事興信所編『人事興信録 第14版 下』人事興信所、1943年。
  • 『貴族院要覧(丙)』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
  • 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
  • 霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成 下巻』霞会館、1996年。

外部リンク

  • 徴古館(ちょうこかん)HP(旧佐賀藩主 鍋島家に伝来した美術工芸品・歴史資料を主に収蔵・展示する博物館)

収蔵品紹介 公益財団法人鍋島報效会 徴古館

 Japaaan

鍋島閑叟と子孫・鍋島直泰(ひ孫) History guide

徴古館で鍋島直泰ミニカーコレクション初展示 クラシックカーなど150点 佐賀経済新聞

鍋島直泰の写真【ゴルファー/鍋島閑叟の子孫(ひ孫)】 History guide